ブランド戦略とイメージ戦略
久しぶりに筆を執った。
先週の金曜日のある制作プロダクションのクレデンシャルを受けた。WEBサイトの制作を中心にやられているようなのだが、その説明の中心に「ブランディング」が置かれていた。私にとっては後味の悪いクレデンシャルであった。
決してWEB制作を軽んじているわけではない。今や非常に重要なタッチポイントになっていることは認める。しかし、なぜかそのWEBの制作会社はWEBのクリエイティブだけでブランドを語っていたのだ。
「どうです?これまでのイメージを一新してたブランドを目指して創ったサイトなんです」と。
私の疑問1は、
さて、WEBサイトのデザインだけでブランドのパーセプションをかえることができるのか?である。やはり、ファクトが重要なはずだ。デザインは確かにスマートなのかもしれない、しかし中身が伴わなければ所詮それは演出、もしくはスタイリングの領域でしかない。ブランド戦略ではなく、イメージ戦略である。
私の疑問2は、
そのような説明に乗ってくる顧客がいることの不思議さである。ちょっとブランド論の本でも読めば、WEBサイトもブランドタッチポイントのひとつだ、ということぐらい分かるはずだ。もちろん、説明する側がそのトーンできてしまって納得してしまうこともあるかもしれない。だが、あまりにもあまりだと思ってしまうのは私だけであろうか?
ビジネス的にもう少しブランドを理解すべきだと思う。イメージ戦略はプロモーション論であるが、ブランド戦略は経営論である。きっとそれをちゃんと理解していないからブランドとプロモーションちぐはぐになってしまったりしている。
もちろん、すばらしいイメージ戦略も過去あった。例えば西武百貨店のグラフィックは時代を確実に引っ張った(西武百貨店が老舗に対抗する手段であったのだろう)。糸井重里、林真理子・・・など今や大先生の作品集である。
特にデジタル系の人はデジタルだけで完結させてしまう傾向がある。
ブランドに大切なのは「触感」だと聞いたことがある。あるラグジュアリーブランドのプレスのトップの言葉だ。デジタルでブランドが語りきれないのは「触感」がないからかもしれない。