街ブランドという戦略

「街」のブランド戦略を考えてみたい。

昨日ある会議で「浦安ブランドになになっている」という発言があった。確かに千葉のなかでも高級住宅街となり「住みたい街」としての地位を浦安は確立しているのだろう。であるなら、それを「ブランド」と呼ぶときそのような戦略性があるのかという点は整理したいと考えた。

結論的に言うなら、たぶんそこにある戦略性は「価格プレミアム」なのだと思う。しかし、一般的に価格プレミアムとは「高利益」のビジネスモデルを指す。その意味で「浦安」における価格プレミアムは、不動産につくものと考えられる。「家賃が割高」「土地価格が高い」とう判断があり、その一方で「でも、そこに住みたい」と思わせる価格プレミアムである。しかし、もっと想像を豊かにすると「家賃が高くても住む人」はある意味裕福な層であろう。ならば、そのマチの商店街で売られるもの、提供されるサービスも多少高くても受け入れられ、享受され、消費されることが考えられる。さらに、そこでビジネスを展開する商業施設、商店は高利益を生み出し、経営的にも成していくかもしれない。もちろん、そのエリアに住まう住人が納得する価格プレミアムのコンテキストを提供できたらの話であろうが・・・。
つまり、街全体を価格プレミアムが支配する構造となるのである。

これに近い話が東急沿線のブランド戦略であろう。
鉄道会社にとって「沿線価値」は永遠のテーマである。「沿線価値」とは住まう人を増やすための価値形成であり、鉄道会社的には住まう人が増えれば、鉄道を使用する人が増えるというわかりやすいロジックのようだ。ただ、その簡単なロジックのなかで沿線機能や沿線イメージの向上を図ることが、「沿線価値」創出するとともに、東急沿線をブランド化し、「価格プレミアム」構造を形成することになっている。例えばそれは、二子玉川であったり、たまプラーザであったりするのだろう。そのような戦略「駅」が沿線価値をけん引する仕組みになっていると思われる。

もちろん、それを生み出す「投資」が多大であることは言うまでもない。
この構造のブランド戦略をマチというレイヤーから沿線というレイヤー、地域ブロックレイヤー、そして国レイヤーで推進し、それぞれのレイヤーを連携させることができれきっと日本は裕福になっていくのだと思う(観光立国の構想はそこまで考えられているのだろうか?)。

ブランドという観点からこの辺りを突き詰めていくことはきっと学問的にも「面白い」のではないかと考える。できれば、チャレンジしてみたいものである。